
こんちはたっつーです。
2018年4月に新卒でデザイナーとなり、早いこと11ヶ月が経過しました。新卒カードを使えるのもあと1ヶ月…
さて今回は、デザイナーとして働き始めて今までに読んだ本の中から、業務で実際に役立ったデザイン関連の書籍をジャンル別に紹介したいと思います。
初学的な内容 & 新しめの本が多めなので、これからデザイナーを目指す学生さんや駆け出しのデザイナーの方で未読のものがあれば、ぜひチェックしてみてください。
きほんの「き」の1画目にあたる『ノンデザイナーズ・デザインブック』『なるほどデザイン』を読んだことがない方は先にそちらを読むことをおすすめします。

目次
グラフィックデザイン基礎
カイシトモヤさんが著者の、グラフィックデザインの現場で必要になる知識や考え方を幅広く解説してくれる教科書的な存在です。タイトルに「デザインの教科書」とありますが、内容的には確実に「"グラフィック"デザインの教科書」ですね。
グラフィックデザインを「形・色・文字・写真・レイアウト・印刷」の6つに分類し、それぞれに対し考え方やツールの基本操作などを説明してくれてます。
初学的な内容ですが網羅的に解説されており、特にコーディングメインでグラフィックに自信がない方は手元に用意しておくことをおすすめします(自分も大変お世話になりました)。
映える表紙のデザイン書籍が多い中、いかにも「教科書」っぽい装丁もいいですね〜。
配色
こちらは配色についての書籍で、前半に色彩の仕組みや色相・明度・彩度といった基本的なことがまとめられており、後半ではキーワードごとのカラーパターンが数多く載っています。
色彩の基礎知識はもちろん、カラーコード集も非常に参考になるので常に机に置いておきたい一冊です。
これと同じような内容で『配色アイデア手帖』という本も人気ですが、そちらは全体的にフェミニンな配色のものが多いので、扱う案件に合わせて用意できると良いかなと思います。
タイポグラフィ
まさにタイトル通り、タイポグラフィの一生枯れない永久不滅テクニックが詰まりに詰まった一冊。
タイポグラフィやフォントに関する本は何冊か読みましたが、この本が一番網羅的に基本を余すことなく説明してくれており、また実践的な内容もダントツで多く載っていたかなーと。
そしてこの本の良いところは、具体的な作例やテクニック・小ネタなどもかなり載っており決して堅い内容に固執していない点です。
タイポグラフィについての本は数多くありますが、とりあえずこれ一冊持っておけば基本に困ることはなさそう。
唯一の欠点は売れすぎて品薄なので、紙派の人は新品が手に入りにくいことですね(楽天・Yahoo!ショッピングともに現在取り扱いがありません)。。
ロゴ
こちらはロゴデザインを担当することになった時とても参考になった本。
ロゴデザインの表層の話だけではなく、クライアントとのヒアリングの話から、ラフスケッチ、提案したロゴタイプ、プレゼンテーション、ブラッシュアップ、ガイドラインの作成など、完成に至るまでの全ての過程を公開してくれています。
ロゴを作る際の考え方や実際のフローが詳しくわかるだけでなく、ラフスケッチからロゴパターンまでをかなりの量を見せてくれるので、ロゴを作る際にはかなり参考になります。
グラフィック・レイアウトの引き出し
大阪にあるデザイン事務所「ingectar-e」の書籍たち。特に『けっきょく、よはく。』は話題となったのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
いずれも手軽に「っぽく」するためのノウハウが、多くのNG例と比較しながら紹介されています。
プロのデザイナーが参考にするというよりは、デザイナーを目指している方や企画職の方に合いそうなレベル感ではありますが、いずれの本も非常にわかりやすいので、駆け出しの方が引き出しを増やすために読むには丁度良いかなと思いました。
スマートフォンUI
こちらは第一線で活躍するUIデザイナーや研究者が、様々な視点からUIを語るデザインの見本帳と論功集です。
デザイン史にはバウハウスを代表とする歴史があるように、UIデザインにも歴史とそれに伴ったトレンドの遷移が存在します。
そんなUIの歴史について、スキューモーフィズムからAppleが提唱している最新のFluid interfaceまでを、事例を紹介しながら詳しく解説してくれる良書です。
デザイナーの方は基礎知識として知っておくべき内容ですので、これはもう全員買ったらいんじゃないでしょうか。
ユーザビリティ
デプスインタビュー、弟子入り、ペルソナ、ジャーニーマップ、ペーパープロト、ヒューリスティック評価などなど…。様々な手法を駆使して優れたUX/ユーザビリティを実現するのがサービス開発ですが、具体的にどんな風に進めていくのかわからない方も多いのではないでしょうか。
この本はそんな、重要だと知っていてもなかなか全体像やそのための技法が良くわからないユーザビリティについて、基礎知識や考え方、実際の進め方などがわかりやすくコンパクトに解説してあります。
表紙とタイトルは堅めでつまんなそうですが、内容は図解も多くとても読みやすいのでぜひ。
デザインシステム
こちらは一読したときあまりの素晴らしさに紹介記事まで書いてしまいました。
一部界隈でデザインシステムの赤本と言われているとおり、デザイン原則、機能パターン、認知パターンやモジュール型など、最近注目されているデザインシステムについて、運用・計画・組織などの多角的な視点から学ぶことができます。
この本はもともと海外で発売されていた『Design Systems』という書籍を日本語化したものです。
こういうネットになかなか転がっていない情報がまとめられている書籍はかなり有益ですね。
プロダクトチームに所属する、全てのwebディレクター/webデザイナー/UXデザイナー/コーダー/フロントエンドエンジニアにおすすめです。
マインドセット
手っ取り早く自分のデザインの質を高めるためにも、先人の考えをインプットしておくことは非常に重要です。
デザイナーとしてのマインドセットを叩き込んでくれる本はいくつか有名なものがありますが、その中でもお気に入りの2冊です。
『デザインのデザイン』では、「デザインとは何か」「デザインとアートの違い」などのデザイン原論的なお話から地政学的な視点を交えた文化論まで、幅広い観点からデザインの意義や必要性について説明してくれています。
『融けるデザイン』では、インターネットが当たり前の世界における新たなデザイン論について解説されており、生活に「融けている」良質なデザインについて、考え方などを優しく説いてくれています。
デザイナー必読書なんて言われている本に『誰のためのデザイン』がありますが、あちらより10倍くらい読みやすいので、活字に苦手意識がある方もぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
おまけ
コピーが印象的なポスターなどの広告を、ビジュアルと解説込みで紹介している“広告カタログ”的な一冊。
キャッチコピーを考える際の参考として買ったのですが、それ以上に、普段の生活ではまじまじと見ることの少ない数々の名広告をじっくり眺めることができる至極の一冊です。寝食忘れて読み耽られます。全員買うべき。
まとめ
初学的な内容や新たな概念については、やはりネットに散らばっている情報よりも書籍のほうが勉強しやすくて良いですね。
ようやくつきつつある読書グセ、定着させたいなー。
それでは。